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ゴルフには柔軟性が不可欠?ゴルファーに多いケガ・痛みの原因とは?ストレッチ方法を解説!

2022.11.15

運動中のケガを避けるには、準備運動やストレッチが欠かせません。それは、激しい動きの少ないゴルフにも当てはまります。むしろ、柔軟性が不可欠と言われるゴルフの場合は、ストレッチによってケガのリスクを抑えるだけではなく、より良いパフォーマンスに繋げられることも期待できます。

今回は、ゴルファーに多いケガ・痛みの原因や、ストレッチ方法を詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

ゴルフはどんな身体の動かし方をするスポーツ?

ゴルフは、他のスポーツと比べて「運動神経に左右されないでできるスポーツ」とされています。そのため、あまり運動が得意ではない人でも気軽に始められるスポーツのひとつです。

しかし、激しく体を動かし続ける必要がないからといって、ケガのリスクが低いわけではありません。準備運動を怠ったり、誤ったスイング動作でプレーを続けたりすることで、ケガや痛みを招いてしまうケースもあるのです。

ゴルファーにありがちなケガや痛みとは

特にありがちなケガ・痛みの部位としては、「腰」や「肩」が挙げられます。なぜこれらの部位にケガ・痛みが起きやすいのか、その理由を見ていきましょう。

ゴルフは体をねじる(捻転)動作が多く、同じ方向に腰を回し続けるため、どうしても腰にかかる負担が大きくなり、プロアマ問わず腰痛を発症する傾向があります。この腰痛の要因としては、誤ったスイング動作であることや、歩いて移動する時間が長いことなどが考えられます。特にアマチュアの場合は、スイング動作において「股関節や足といった下半身がうまく使えていないこと」が主な要因として挙げられます。このようなスイング動作では、上半身に負荷がかかり、特に腰への負担が大きくなってしまうのです。

加えて、体の柔軟性が低い人の捻転動作は、ケガ・痛みを招きやすく、ぎっくり腰や椎間板ヘルニア(腰・背中・首のどの部分でも起こり得る)を引き起こすケースもあるため、注意しなければなりません。そのため、股関節の柔軟性を高めながら、理想的なスイング動作を習得すると同時に、ストレッチを習慣化することも重要なのです。

ゴルフのスイングでは、肩の関節を大きく動かすため肩への負担も大きくなります。スイング動作の癖により、左右どちらかの肩にだけ痛みが出る場合や、両肩に痛みが出ることもあります。特に、左肩に痛みが生じるものは、「スイングショルダー(ゴルフ肩)」とも言われています。これは、テークバックをする際に左肩や左肩甲骨の柔軟性低下が要因となり、筋肉が無理に引っ張られた状態でスイングすることで発症する、ゴルファーにありがちなケガのひとつです。

右肩の痛みは、「右手を返す動き」が要因であったり、肩甲骨の可動域が狭いことでダウンスイング時に右肩に負荷がかかることで、痛みが引き起こされます。肩は年齢が上がるにつれて、リスクも高くなる部位といえます。ケガや痛みが生じやすい、三角筋から肩の後面(肩甲骨周囲の筋肉)の柔軟性を高め、日頃からストレッチを行い対策しましょう。

 

ゴルフをする人におすすめのストレッチ

ここからは、安全にゴルフを楽しむためのストレッチ方法をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。ケガの予防だけではなく、ゴルフのパフォーマンスアップにも繋がります。なお、「セット目安」はあくまでも目安となりますで、最初のうちは決して無理をせず、徐々に増やすようにしてみてください。

腰のストレッチ方法

腰はゴルファーの多くが痛みを感じやすい部位でもあるため、日頃からしっかりとストレッチを行うことが大切です。特にラウンドの前後はしっかりとケアをしましょう。具体的なストレッチ方法は、以下の通りです。

  1. 両足を伸ばして座り、左足のひざを曲げ、右足のひざの外側にクロスするように足の裏を地面に付ける。
  2. 左手を後ろについて、息を吐きながら上半身を左側にゆっくりとひねる(右ひじを左ひざに引っ掛けるとより効果的)。
  3. ひねった姿勢で3秒キープ。
  4. ゆっくりと元に戻したら、反対側も同じように行っていく。

(セット目安: 1~4を通して片方3セットずつ)

 

胸椎のストレッチ方法

ゴルフのスイングは回旋運動なので、胸椎(きょうつい)の回旋をスムーズに行えるかどうかが重要なポイントです。そのため、日頃から胸椎のストレッチを行うことで、ケガ・痛みのリスクも低めることができます。具体的なストレッチ方法は、以下の通りです。

  1. 正面に対して、椅子を45度斜めに置き、浅く座る。
  2. クラブを肩の後ろで持つ。
  3. 両膝をくっつけたまま左右に上体を回旋していく。

(セット目安: 1~3を通して3セット)

椅子を正面より45度斜めに置くことで、体を正面に向けてひねったときに、45度のラインが見極めやすくなるでしょう。45度以上の回旋が行えていれば、ある程度の柔軟性があると考えられます。

 

股関節のストレッチ方法

股関節の柔軟性を高めることで、腰の切り返しがスムーズに行えるようになり、飛距離アップを期待できるようになります。また、股関節は一連のゴルフスイングに影響する部位となるので、非常に重要なストレッチといえるでしょう。具体的なストレッチ方法は、以下の通りです。

  1. ひざを立てた状態で床に座り、片方のひざを内側に倒し、横座りのように両足を倒す。
  2. 内側に倒したひざの上に、もう片側の足を載せ、下にある内側の足が浮かないようにおさえる。
  3. 下側の足を床につけるようにひねり、お尻が浮かないようにする。
  4. 3秒キープする。

(セット目安: 1~4を通して片方3セットずつ)

 

肩甲骨周りのストレッチ方法

肩甲骨の周りにある筋肉の柔軟性を高めることによって、スイングの可動域も広げることができます。「ゴルフは背筋が使われる」と聞いたことがある方も多いかもしれませんが、広背筋だけではなく肩甲骨の可動域を高めることが飛距離により大きな影響を与えるのです。肩甲骨周りのストレッチ方法は、以下の通りです。

  1. 左手で右足の小指側を持つ(足の裏を持つように)。
  2. 右ひざを伸ばす。
  3. 足を持ち、ひざを伸ばしたまま、左右に5回振る。

(セット目安: 1~3を通して片方5回ずつ)

特に足を外側に開くほど、肩甲骨の周囲がストレッチされます。このストレッチはテークバックの動きに役立ちます。

 

ストレッチの習慣化でゴルフでのケガ・痛みを対策しよう

今回は、ゴルファーに多いケガ・痛みの原因やストレッチ方法についてご紹介しました。ゴルフは、決してケガのリスクがないわけではありません。準備運動やストレッチを怠ってしまうと、ケガや痛みを招いてしまう可能性もありますので、ぜひストレッチを習慣化してゴルフに合った体作りをしていきましょう。

また、日々のストレッチだけではなく、練習後やラウンド後にアフターケアとして体を労わることも大切です。もし、ケガや痛みが生じた際は、無理をせずに整形外科を受診しましょう。また、状況に応じて接骨院などの治療院に通って体を整えることも手段のひとつです。より楽しいゴルフライフの為ために、体のメンテンナンスを欠かさないようにしましょう。

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