連日、熱戦が繰り広げられた東京の夏。陸上競技の3000mSC(3000m障害)では日本代表選手が活躍し、素晴らしい記録が樹立され注目が集まりました。本記事では、同種目のマスターズ陸上競技3000mSC(クラスM45:45歳~49歳)において、日本記録相当の記録を更新された安喰太郎さんに、RUCOE RUN(ルコエラン)の活用法や試合前の調整方法をお聞きしました。
―RUCOE RUNを導入されたきっかけは?
40代に入ってから、30代まで当たり前に考えていた水準で走れなくなり、ここ5、6年はその状況を“放置”していました。ですが、2019年後半(45歳)あたりから徐々にスイッチが入り、2020年秋に心身共にコンディションが整い始め、記録を真正面から狙う環境が揃い、結果を出すために購入を決めました。
―RUCOE RUNをご購入後、マスターズ日本記録を超えたそうですね。どのような調整を実践されたのでしょうか?
高校時代の記録にはまだ及びませんが、2021年3月に出したクラスM45日本記録相当(9分59秒09)に関しては、約半年間、週に1回ポイント練習を行いました。内容は企業秘密です!(笑)大半はトラックで行うスピード練習を積みました。3000m SCは、水濠セクションを含め男子は高さ91.4cmのハードルを35回飛び越える競技です。(84mに1回の割合で障害物がある)とてもタフな競技ではありますが、どちらかと言うと、中距離競技となりスピード維持も必要とします。そのため、短めの距離のインターバル走を多く採用しました。
一方で、元々持久力が課題でしたので、時々6000m~10000m程度の持続走も採り入れました。ポイント練習やレースの前日は必ずRUCOE RUNのCOOLモードをかけていましたし、レース当日はACTモードを利用することも多かったです。
―RUCOE RUNは主にどのモードを使いますか?
最もよく使うのはCOOLモードです。仕事(Harriersの練習会やNHKランニング講座等)から帰ると夜遅いので、例えば食事しながらとか、洗濯物を干しながらとか(笑)そのタイミングでRUCOE RUNを利用することが一番多いです。
―身体のどの部位に使うことが多いでしょうか?
部位は太もも、ふくらはぎの順に頻度が高いですね。長年走っているため、自分の身体のどこに違和感が出やすいかを理解していて、そこを中心にケアするようにしています。
―RUCOE RUNを使用してみて、変化は感じましたか?
筋肉がささみのように乾燥した感じでなく、全体的にあたたかみのある感じに整います。ACTモードに関しては、使い始めた当初は強めにかけてしまい、張りが残ってしまったのですが、実際動いてみると徐々に動きがよくなりました。もちろんかけすぎには注意が必要です。
―AT-miniもご活用いただいていますが、RUCOE RUNとどのように使い分けていますか?
私が感じる最大の違いは、連続装用できる時間の長さでしょうか。AT-miniは、違和感がなくともコンディショニングケアとして利用できる上に、長時間稼動できるので、横になりながら使用できる点はメリットだと思います。AT-miniは整える、RUCOE RUNは、積極的に“良くする”時に使います。
電気刺激機器といえば、私が高校生の時、部に1台低周波治療器があり利用していました。もしかしたら御社の製品かも!? 当時としては画期的なケア方法で、合宿では独占して先生に注意されました(笑)。感覚的に、RUCOE RUNはその時の治療器と比べると、刺激が穏やかで安心して利用ができます。
―RUCOE RUNをマスターズ陸上競技のアスリートに薦めるとしたら、おすすめポイントはどこでしょうか?
デイリーユース、あるいは大事な練習やレースの数日前からコンディショニングとして使うことをおすすめします。お忙しい方が多いと思うので、“ながら”で使えることは大きなメリットだと思っています。
―最後に、安喰さんが試合前~試合の日に行っていることがあればお聞かせください。
私自身のある意味特殊な事情として、走ることが仕事のため、クラブ等の練習会と自身のレースの調整が容易ではないなと正直感じています。ただ、その中で16年(クラブ運営を)やってきました。Harriersの会員のみなさんのご理解や、コーチの協力あってこそ、ここまで様々な競技実績も挙げることができました(World Marathon Majors制覇、世界マスターズ出場、全日本マスターズ優勝、3000m SCクラスM45日本記録相当、等)。
実は1年前から、本気で日本記録更新を掲げ、変えたことがあります。それはウォーミングアップです。若い頃は10分程度ジョグして「はいスタート!」という感じでしたが、今はしっかり体操してジョグを30分します。そして、ドリルと流し。ただ、暑い時期はジョグは20分程度でも良いかなと考えています。補食については、違和感からの早期回復のために、トレーナーさんからビタミンCとプロテインの摂取を勧められ実践しています。これも期分けをして、ハードに追い込む時期、ゆるくつなぐ時と分けて考えるのが良いと思いますね。
【安喰 太郎(あぐい・たろう)】
Harriers代表。英国陸上競技連盟公認コーチ。日本体育協会公認陸上競技指導員。フルマラソンなどに出場する傍ら3000m SCにも再びチャレンジし、2019年の全日本マスターズ陸上競技選手権では世代別のクラスで優勝。2021年3月、3000m SCのM45(45~49歳)のクラスで日本記録相当の社会人になってからの自己記録を更新した。
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